| ―SuperHマイコンの採用を考えられたのはいつごろで,どのようなことが契機となったのでしょうか。 |
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西島(アイ・オー・データ機器) 採用を考え始めたのは2000年4月ころです。日立製作所(当時)にネットワーク用高速マイコンに関して問い合わせたのがきっかけでした。無線LANが一般に普及し始めた時期です。
当時,ネットワーク接続機能を備えた組み込み機器を自社で開発し,特長のある製品を継続して市場に出荷していく必要があると考えていました。製品のアイデアはすでにありました。既存の有線LAN(イーサネット)のハブと置き換えることによってLANをハブごと無線化する製品です。ただ,無線LANと有線LANをインターフェースする上手い手法がなく,日々悩んでいました。そこでお付き合いのあった日立に問い合わせたのです。 |
中野(ルネサス販売) すでにSCSIインターフェースカード用マイコンなどで,日立の半導体製品をアイ・オー・データが数多く採用していました。DRAMでは日立と三菱電機がアイ・オー・データに供給していたころです。 |
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西島(アイ・オー・データ機器)
SH2-DSPコアの「SH7615」です。日立や関連各社の協力を得て開発を進め,無線スイッチングハブ(photo1)として2001年3月に世に送り出すことができました。きょう体をコンパクトにしたことと、消費電力を抑える必要があったことがSuperHマイコンを採用する決め手となりました。SH7615は日本では初めてイーサネットコントローラを内蔵したマイコンでした。イーサネットコントローラの内蔵で部品点数が減ります。またSH7615は消費電流が少ない。これらのことが重要でした。 |
| ―SuperHマイコンはその後の機種にも採用したのでしょうか。 |
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西島(アイ・オー・データ機器)
SH-3コアのマイコンを搭載した「LAN-iCN」の開発を2001年5月に始め,2002年2月に出荷しました(photo2)。
LAN-iCNは,ハードディスク装置(HDD)を有線LANに直接つなぐアダプタです。ネットワーク接続のハードディスク装置はそのころ,業務用と考えられていました。しかし私どもは,家庭向け,小規模事業者向けのローエンド製品として開発しました。新しい製品分野を開拓したと考えています。 |
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SuperHマイコンを採用したのは,高速処理と低消費電流を両立するためです。タバコの箱程度の大きさしかないアダプタに,ファイルサーバーの機能を凝縮する必要がありました。またOSとして新規にLinuxを採用したため,開発業務を分担できるパートナーとして日立を選んでいます。
搭載したSH-3マイコンのクロック周波数は166MHzに上げています。ここでもご協力いただきました。
中野(ルネサス販売)
消費電力を抑えながらクロックアップしました。簡単ではないです。ある程度のコストに抑えなければなりませんから。 |
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西島(アイ・オー・データ機器)
大変好評で、生産予定数量の10倍の受注をいただきました。SuperHマイコンの生産数量を大幅に増やさなければなりませんでした。その節は大変お世話になりました。
仲川(ルネサス販売)
ロットで1万個前後を出荷した月がありましたね。
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西島(アイ・オー・データ機器)
その次に開発したのは、SH-4コアのSuperHマイコンを搭載したアダプタ「LAN-iCN2」です。2003年2月に出荷しました(photo3)。ソフトウエア資産を生かしつつ,データ転送速度を高めています。マイコンのクロック周波数は200MHzです。
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| - クロックの向上でデータ転送を高速化 - |
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西島(アイ・オー・データ機器)
HDLシリーズでは,100BASE-TXのイーサネットに直結したときに最大94.5Mビット/秒と高いデータ転送速度を達成しています。業界最速である、90Mビット/秒を超える速度をどうしても実現したかった。そこでSH-4コアのマイコンを、266MHzと高いクロック周波数で動かしています。
中野(ルネサス販売)
SH-4をご提案したのですが、それではスペックが物足りないとの要望がありました。ご要望にお応えすべく、SH-4のクロックアップ版を提供することにしました。
西島(アイ・オー・データ機器)
SH-4の標準仕様の上限は240MHzなのですが,この周波数だと,90Mビット/秒を超えるデータ転送速度を達成できないんです。 |
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小高(アイ・オー・データ機器)
ルネサス テクノロジの半導体設計者と打ち合わせ,クロックをどこまで上げられるかを詰めました。240MHzのクロックでは,一線を超えられない。266MHzが,おとしどころとなりました。
中野(ルネサス販売)
ご要望の速度を出すのに結局、半年が必要でした。 |
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宮本(アイ・オー・データ機器)
マイコンのクロックアップは、メモリー・バスのクロックを上げるという意味でも重要でした。メモリー回りの転送がデータ転送速度向上のネックになっていましたから。標準仕様のSH-4コアですとメモリー・バスのクロックは120MHzにとどまります。これだと目的のデータ転送速度を達成しづらい。266MHzのSH-4コアでメモリー・バスのクロックを133MHzに上げたことが、目標の達成につながりました。 |
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| - ソフトを含めて総合的にサポート - |
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中野(ルネサス販売)
データ転送速度の向上に関しては,どうしてもやらなければならないとの熱意を感じました。ソフトウエアを含めて総合的にサポートさせていただきました。
小高(アイ・オー・データ機器)
データ転送速度を上げるために,半年以上,苦労しました。Linuxのチューニングをいろいろやったほか,転送プロトコルとか,データの送受信手順などを調整しています。どんなデータを受け取るのか、受け取ったデータをストレージするのか,いったんバッファに貯めるのか。あるいは微妙なタイミングの変化により,データ転送速度に数Mビット/秒の違いが現れるのです。
中野(ルネサス販売)
ソフトウエアのチューニングでも打ち合わせを何度か重ねています。
西島(アイ・オー・データ機器)
Linuxは奥が深い。
中野(ルネサス販売)
ストレージ製品は,いろいろなバージョンのOSを搭載したパソコンに対応する必要がありますしね。 |
西島(アイ・オー・データ機器)
パソコン以外の機器と接続することも想定する必要があります。今後急速な勢いで家電品自身が情報を管理し、ネットワーク接続して情報共有することが想定されるからです。 |
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西島(アイ・オー・データ機器)
拡張性を残しながら,集積化をさらに進めたマイコンを必要としています。家電なみの使いやすさを実現することと,ボードを小型化するためです。LANコントローラ,ATAコントローラ,USB
2.0コントローラなどをマイコンに内蔵して欲しいと考えています。
中野(ルネサス販売)
すべてを内蔵してワンチップにしていくのか,どこまで内蔵するのか,当社にとってもそこは課題です。 |
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