|
私の属する品質管理部は品質保証統括部の一部門です。品質保証統括部は設計から量産、流通段階に至るまで総合的な品質保証を担うセクション。品質保証統括部には、品質管理部の他にISO(※1)などの品質システム構築を主に担う品質推進部や、マイコン品質保証部、メモリ品質保証部といった製品分野ごとの品質保証部署があります。
これら製品ごとの品質保証部署が縦割り的に機能するのに対し、私の属する品質管理部は全製品の量産工程における品質管理を横串的に行います。したがって部材や加工会社にルネサスの品質基準を求めるのも、私たち品質管理部です。
半導体の製造工程はシリコンウェハ上に多数の半導体素子(トランジスタ)を作り込むウェハ工程と、完成したウェハを切り分け樹脂封止する後工程に大別されます。品質管理部も、この2つの工程ごとにチームが分けられており、私が属しているのは後工程を担うAT品質管理グループです。ATはアセンブルとテストの頭文字。テストを含めた、製造工程の後半部分の品質管理を担っています。
品質を決定するのは設計、装置、プロセス、材料です。これらにバラツキがあれば、安定した品質は望めません。このため国内、海外に合わせて10数カ所ある自社製造拠点に加え、アウトソーシング先の工場約数社を訪れ、品質改善や標準化を推進しています。したがって年間100日は出張、海外へも月に1度は出向きます。
苦労を言えば、出張が多いので自分の時間がなかなかとれないところでしょうか。これは苦労でもあり、やりがいにも通じるのですが、製造現場に対し品質管理を指導する立場ですから、煙たがられる役回り。私自身は、それでもいいから品質を向上させたいと願っています。そして、そんな気持が現場の人たちと相通じることがあります。これこそ仕事の醍醐味。もの作りの基本は、やはり人なんだと実感する瞬間です。
設計から製造プロセス、検査、最終的検証と、一貫して総合的に品質を保証できるところがファンドリメーカー(※2)にはない強みです。組織のマインドとしても、「品質偏重」と言われるくらい高いものです。
技術的な基礎知識は前提ですが、現場で学ぶOJTがすべてだと思っています。ただし教えてもらえるのは新人の時だけ。あとは自分で情報のあるところを見つけ出し、取りに行くしかありません。当初の2年間は研修期間と位置づけられていますので、この間に学び方を身につけることが不可欠です。
前述したように、私たちの仕事は製造現場の人たちに理解を求める仕事です。そこで問われるのは、ロジカルに考え、きちんと説明できるコミュニケーション能力です。また、困難に直面した際に迅速・的確に対処できる判断力も大事。さらに言えば、品質改善のためには知識だけではダメで、考え抜く力、そして企業としての総合的判断ができるバランス感覚が不可欠です。
技術的には数学、物理、化学の基本を抑えていれば十分ですが、海外とのコミュニケーションが多いので、英語力は必要です。今後は中国語も求められるでしょう。
ルネサスは総合半導体メーカーではありますが、原点は製造業。早く、安く、良く、かつサプライズのある製品を供給できる仕組みを作り上げたいと思います。
困難にぶつかっても決して諦めないでほしいと思います。「やろう」という意志があれば実現に向けて動く。ルネサスは、そんな会社なのです。
|