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知的財産権統括部は、特許を始めとする知的財産を権利化して育成・活用する部門です。知的財産に関する業務(※1)を一手に引き受けている部門ですが、このうち渉外部である私の仕事は文字通り知的財産権のライセンスについて交渉を取り持つことです。
知的財産権のライセンス交渉の場合、商品の売買交渉とは異なり、特許など知的財産権の侵害について支払を要求したり、無断使用をやめさせたりします。
むろん、相手先は知的財産権侵害を簡単に認めるわけではありません。そこで、相手の製品を入手して分解・調査し、特許技術部が技術的な証拠を揃えます。最終的にはライセンス使用料の支払いに結びつけることになりますから、特許技術部が技術的な論争を担い、私たち渉外部が「落としどころ」を見いだすといった役割分担になります。
あくまでビジネス優先ですから、技術的・法律的側面だけでなくビジネス面からの判断も加え、最終的に有利な条件に持ち込むのが私たち渉外部のミッション。目的達成のためには、あらゆる要素を武器として活用するシビアさがあります。訴訟ですら交渉のカードとして駆使するのは当たり前の世界なのです。
人を相手にする交渉の場では、高いコミュニケーション能力が求められます。「交渉相手が社内幹部にどう報告するか?」まで考慮しなければ、交渉は成立しません。そのためには相手を100%熟知する必要があります。
当然ながら、交渉はいつも穏便に済むものばかりではなく、訴訟に発展するケースも多々あります。精神的にも肉体的にもタフであることが求められます。
しかし、ライセンス業務は人と人とのつながりであり、自分という人間を相手に受け入れてもらう、まさにかつて私の大先輩が仰っておられたように「全人格勝負」なのです。一つひとつの仕事を通じて職務上成長することが、人間としての成長につながる――これこそ最大の魅力です。
結局のところ、交渉事はコミュニケーションに尽きます。相手を知り、自分を知ること――これが基本です。これは日常生活を通じても身につけていくものであり、長い時間を経て人格に反映されていくものだと思います。交渉は全人格勝負です。人格を高めることが、実は非常に大切な要素なのです。私自身、まだまだ発展途上ですが、向上心を常に持ちつづけたいと思っています。
むろん基本的な法律の知識や高い英語力(※2)も必須ですが、それだけでは戦力にはなりません。交渉戦術や計画を立て、実際の場で考えながら発言する経験を重ねることで成長するものです。
技術についての議論が多いので技術系の知識は必要ですが、交渉の内容などが理解できれば、個人のバックグラウンドはそれほど重要ではありません。大学の法学部で学んだことは直接的に役立ちますが、文学部で得た知識が役に立つかもしれないし、経済学部で勉強したことが役立つかもしれない。
つまり、自分の持っている専門性を向上させたいといった知的向上心のある人や、異文化への理解力の高い人、異なる分野に興味のある人などが活躍できる職場なのです。
消費大国であり、生産大国として今後さらに成長を続ける中国との関係が重要と感じます。先端技術と高度な技術開発力を有するルネサスが中国の企業や大学と、将来の相互発展のために友好関係をいかに構築し、それを育てていくか、そのルネサスの大きなポテンシャルに期待しております。そのような環境でますます重要性を増してくる知的財産権の分野において相互にとって利益のある関係を追求し、発展させていきたいと考えております。
様々な経験を通して自分の可能性を幅広く展開させてください。それは、渉外部の業務にも役立つし、自分自身にも役に立つことだと信じています。枠を設けず、オプションを減らさず、常に新しいことを考えてほしいと思います。
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