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マイコン第四部はキーボード、コントローラー、PCサーバー、コピー機といったPC周辺・OA機器、あるいはTV、DVD、デジタルカメラといった民生品機器に使われるマイコンの設計・開発を担う部署。その中で私はH8SXマイコンファミリ(※1 )の開発を進めてきました。現在はカードリーダなどのPOS端末向け製品の開発を手がけています。この領域は今まさに世代交代期であり、ルネサスとしては新しい市場。
設計・開発の仕事であると同時に、新規市場参入の使命も担っています。
私自身は主任技師という立場上、営業戦略も考えることが求められています。既存のマイコンから別のマイコンに変更すればソフトウェアも書き換えなければならないため、世代交代時期とはいえお客様としては従来製品の延長線上にある製品を使うのが通常ですが、そこを、私たちの製品に乗り換えてもらうのが勝負どころです。
お客様のニーズに対応した製品を生み出すため、「お客様の求めている機能をどのようにデバイス上で実現するか」を考えるのが最も重要です。「どのような方法で機能を実現するか」ということが製品のコスト、品質に大きな影響を与えますし、このコスト、品質が製品採用を左右することも十分あり得ます。ルネサスの総合力をいかに活かすか。それが問われている局面です。
試作品が正常に機能した時の達成感は、もの作りにたずさわるエンジニアの原動力と言えるでしょう。ただ、もの作りに没頭しているだけでは競争に勝てません。技術面はもちろん、コスト、開発スピード、組織のあり方、営業の手法といった幅広い面を常に見直し、フィードバックすることで継続的に競争力を高めていく必要があります。
競争相手は世界中の同業他社であり、そこに働くエンジニアは皆そんな意識で仕事をしています。
優秀なエンジニアが多数在籍しているところが最大の優位性でしょうか。マイコンに関しては世界ナンバーワンのリーディングカンパニーですし、お客様との付き合いや失敗を通して独自に培ってきたノウハウを多く蓄積しています。この点は、日立と三菱の統合により、さらに強化されていると自負しています。
私自身の体験をお話ししましょう。入社後しばらくは技術書を買いあさり、少しでも多くの知識を吸収かつ応用するように努めました。しかし、すぐに仕事ができるようになるわけではありません。そのことに悩んでいた時、ある先輩から「継続が大切。そうすれば、いつの間にか力がついていることに気付く時が来る」と助言してもらいました。この勇気をもらった一言は、今でも忘れられません。
何事にも興味を持つこと、常に本質を突き詰めて考えることを心掛けています。また、周囲の優秀なエンジニアと議論することも学びの上では大いに役立ちます。
人を育てる立場にいる現在、製品開発の実践が常に勉強の場だと実感しています。技術者各人の成長が、製品の品質と競争力の向上につながると確信しています。
開発の現場は、必ずしも過去の延長線上にあるわけではありません。技術は進化し、人の価値観も変わります。時には前例のない事態に見舞われることもあるのです。そのような環境の中で自らの思考を柔軟に切り替えることが常に要求されます。
大規模化・複雑化する製品設計。設計技術の進歩とともに、これまでの組織としてのスタイルが通用しなくなっています。今後は個々の技術力を磨くとともに組織のあり方を見直すことが課題です。
優れた技術であっても、それを生かすも殺すも結局は人次第です。人の成長こそが、製品の魅力(品質・性能)につながります。ですから何事にも前向きに、誠意をもって取り組んでほしいと思います。それが成長を促し、結果をももたらしてくれるものだと思っています。
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