竹西:2003年4月7日が鉄腕アトムの誕生日(注1)ということもあってか、最近ではロボットに関する話題が空前の盛り上がりを見せています。しかし、まだまだ家電製品のように市場を形成するまでには至っていません。そもそも、ロボットに何をしてもらいたいかが、掴みきれていないように見えます。
油田:ロボットとは何かを考えてみますと、かなり曖昧なんですね。必ずしも二足歩行でなくても良いし、鉄腕アトムのような人間に似た形をしている必要もないのです。
私は、最もリアルで身近なロボットは全自動洗濯機だと考えています。川で洗濯をしていた時代の人から見れば、これはまさにロボットです。汚れた衣類を放り込んでスイッチを押すと、30分ほど待てば衣類がきれいになって脱水までしてくれるのですから。
竹西:そうですね。家電の知能化はすごく進んでいて、ロボットと呼んで差し支えない家電製品が身の回りにあふれています。しかし家電製品がロボットとはふつう、意識していません。
油田:それから移動式のパワーショベル。昔の人が見たら、人が操縦するロボットだと感じるはずです。自動車も、以前に比べるとずっと自動化されている。自動車のオートクルーズは、はるか以前にはロボットのイメージで語られていた機能です。
こうやって眺めますと、ロボットのイメージは「夢」であって、実現されていないものなんですね。実現されてしまうと、それはもう「ロボット」とは呼ばれていない。別の名前になってしまう。そしてロボットは、まだ実現されていないもののイメージとなって再定義されるのです。 |
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稲吉:非常に興味深いお考えですね。産業用のロボットはすでに実用化されており、自動車部品や機械部品、電気部品などの溶接ロボットや塗装ロボットが実際に使われています(注2)。そのこととは別に、何をイメージするかでロボットの捉え方が違ってくるということですね。
竹西:「ロボット」という言葉から受けるイメージは人によって違うのかな、と最近はよく思います。
油田:はい。でも、雑誌「ロボコンマガジン」(注3)はロボットに対する共通理解を作る役割を果していますよ。ロボットコンテスト(注4)に出てくるロボットを「あれはロボットではない」とは誰も言いませんから(笑)。
つまり、まったく自由な状態ですと、ロボットはかえって作りにくいのです。ですから、ロボットコンテストでは具体的な課題を与えることが欠かせません。その課題を少しずつ変えながらロボットを進化させていくのです。その際に将来の目標はとても大切です。例えばロボットがサッカーをする競技のロボカップ(ロボット・サッカー・ワールドカップ)では、「人間のワールドカップ優勝チームに勝つロボカップのチームを2050年に開発する」ことをめざしています。
稲吉:ルネサスは、豊富なマイコンラインアップによって、こういったロボットの開発に役立つマイコンをご提供してきました。幸い、かなりのシェアをいただいております。
油田:私の研究室でも、モトローラ、インモスを経てルネサスのマイコンを主に使うようになりましたよ。
竹西:ホビーではSuperHファミリとH8ファミリがよく使われていますね。モーターを数多く搭載するロボットではSuperHマイコンが、また教育分野ではH8マイコンが根強い人気です。
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